スズメバチとアシナガバチの違いとは?見分け方のポイントを解説
蜂は人にとって危険な昆虫ですが、その中でも毒を持つ危険な種類として「スズメバチ」と「アシナガバチ」が挙げられます。本記事では、スズメバチとアシナガバチの違いを解説します。
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スズメバチとアシナガバチの違い
スズメバチとアシナガバチを見分けるポイントを解説します。
巣を作る場所
巣が作られている場所は、蜂の種類を見分けるポイントです。アシナガバチは、建物の軒下や木の枝、外壁など開放的な場所に巣を作るケースが多いです。一方、スズメバチは、種類によって巣を作る場所が異なります。土の中や天井裏、床下や壁の中、樹洞に巣がある場合は、スズメバチの可能性が高いです。ただしアシナガバチと同じように、開放的な場所に作る種類もいるため、巣の場所のみで種類を断定するのはおすすめできません。
巣の形状
巣の形状は、蜂の種類を見分ける際に確実で容易な方法です。
スズメバチ
スズメバチの巣は、巣盤を隠すように外被が覆っていることと、ベージュとブラウンが混ざったマーブル模様になることが特徴です。形は種類によって異なり「釣り鐘型」「球型」「半球型」などさまざまです。
キイロスズメバチは、壁間など狭い閉鎖空間に巣を作ることがあり、設巣した場所に合わせた形になります。その場合、巣には1個の小さな穴があり、そこから外を監視するスズメバチが顔を覗かせます。目立った巣がないのにも関わらず、蜂を頻繁に見かけたり、壁の裏から羽音が聞こえたりするのであれば、スズメバチが設巣していることが疑われます。
アシナガバチ
アシナガバチの巣は、お椀を逆さにしたような半球状のものが多いです。基本的に六角形の育成室が並び、その中が見えることが特徴です。また、巣の中を見ることで、蜂の子の生育状況もわかります。
胸部と腹部のくびれ
スズメバチとアシナガバチは、見た目にも大きな違いがあります。スズメバチは腹部が弾丸のような形で、胸部と腹部の境目がハッキリとしています。一方、アシナガバチは、胸部から腹部にかけてなだらかに太くなっており、全体的にスッキリした体型です。
また、それぞれの蜂の顔を正面から見ると、鼻のように見える「頭楯(とうじゅん)」の形が異なります。スズメバチの場合は六角形に対し、アシナガバチは五角形です。ただし、これらの身体の違いは、蜂を近くで観察しなければ見分けられません。刺される危険が伴うため、無理に見た目から判断を行わないようにしましょう。
飛び方
スズメバチとアシナガバチは、飛び方にも違いがあります。蜂が後ろ足をダラリと垂らすようにして、フワフワとゆっくり飛んでいた場合は、アシナガバチの可能性が非常に高いです。一方、スズメバチは足を垂らさず直線的に飛びます。
スズメバチとアシナガバチの危険性の違い
スズメバチとアシナガバチの危険性を比べると、より危険なのはスズメバチです。しかし、アシナガバチも安全ではありません。なぜなら、スズメバチと同じく「ハチ毒キニン・セロトニン・ヒスタミン・マストパラン・ポリアミン類・ヒアルウロニダーゼ・アンチゲン5」など、共通する毒の成分を多く持つからです。アシナガバチに刺された際の痛みは強く、スズメバチ以上に痛く感じるケースもあります。
また、蜂に刺されたことで起こる「アナフィラキシーショック」は、スズメバチのような強力な蜂に刺されたことで起こると思われがちですが、アシナガバチでも起こり得ます。このように、スズメバチと比べるとアシナガバチの危険度はやや低いものの、十分な警戒が必要です。
危険な蜂は見かけたらすぐに駆除を依頼しよう
スズメバチとアシナガバチは、体型や巣の形状で比較的簡単に見分けがつきます。ただし、どちらも毒性が強く、刺されると命に関わることもある危険な蜂です。そのため、スズメバチやアシナガバチに似た蜂や巣を見かけた際は、速やかに業者に駆除の依頼をしましょう。